捨てないで<<どんな犬<<かかりやすい病気(遺伝疾患)<<遺伝疾患2(家族性腎症)
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FN(家族性腎症) |
FNは遺伝性の腎臓病で、欧米のE.コッカー関係者の間では 50年以上前から
その存在が知られています。
いのちに関わる重篤な病気で、2歳くらいまでの若いうちに発症して腎不全に発展し、
最終的には死に至ります。
現在、腎不全に対する治療は、病気の進行を遅らせることにとどまっています。 |
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遺伝形式 |
常染色体劣性遺伝です。
両親犬の両方がFNキャリア、あるいはFNであると、生まれてくる仔犬はFNに
侵されることになります。
原因遺伝子の特定は、未だなされていません。 |
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原因 |
血液をろ過する役割を果たす器官である「糸球体」内の遺伝子欠陥のため、
ろ過機能を正常に維持するために必要なある種のコラーゲンを欠くことが原因です。 |
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発現と症状 |
FNの全貌が解明されていないので、症状によって病気の進行具合を推し量ることは
困難ですが、病気の始まりとしてはほとんどの場合で、生後1歳前に「たんぱく尿」が
検出されます。
腎不全が起きるのは生後6ヶ月から2歳の間で、腎臓の約75%以上の機能がダメージを
受けるまでなかなか表だった症状が現れない点が、腎臓病の怖いところです。
腎不全になると、食欲不振、おう吐、体重減少、多飲多尿などが見られます。
病状が進行すると、とても弱まって、体温調節機能を失って震えます。
最後は尿毒症となり、非常に危険です。 |
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診断 |
実際の診断は他の腎臓病と同じステップで行われます。
まず、仔犬の尿(朝一番の初尿が良い)の色を定期的にチェックすることが大切です。
尿の色が薄い場合は、尿検査を繰り返し行い、尿たんぱくと尿比重をチェックします。
たんぱくと比重に問題があることがわかったら、血液化学検査によって 血液中の
窒素化合物や電解質の濃度を調べ、高窒素血症や高カリウム血症になっていないか
等を調べます。 |
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FN排除への取り組み |
E.コッカーの原産国イギリスでは、E.コッカークラブの指導により、1980年代半ばから
FNを次代に受け継ぐことが判明した犬たちを確実に繁殖プランから外す計画が実行された
結果、近年の発症例報告は非常に少数になっている模様です。
また、アメリカでは 米E.コッカークラブの協力の元、テキサスA&M大学に設立された
「アーサー・B・ファーガソン記念基金」によりDNAテストの研究が行われています。
FNは 元気盛り、かわいい盛りの若いE.コッカーのいのちを危める 非常に重篤な
遺伝病です。
若いE.コッカーを失う悲しみは 飼い主にとっても 大変深い痛手となります。
日本国内での発症例数は 定かではありませんが、原因遺伝子の特定がなされるまでは、繁殖者は自分が世に送り出した仔犬の健康状態をきちんと掌握しておくべきでしょう。
そして 早い時期に腎臓病に罹る犬が出た場合、その親犬は両親ともブリーディングラインからすぐに外すことです。 |
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参考にした文献およびウェブサイト |
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