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捨てないで<<どんな犬<<かかりやすい病気(遺伝疾患)<<聴力障害


聴力障害

イングリッシュコッカースパニエルには、先天的な聴覚障害が現れることが近年わかってきました。
アメリカ・ルイジアナ州立大学Strain教授 の研究によると、
solid(60頭)では、片耳の難聴は1頭、1.7%、両耳の難聴は0頭
parti colour(1067頭)では、片耳の難聴は63頭(5.9%)、両耳の難聴は12頭,(1.1%)と報告されています。
一見、毛色で差があるように見えますが、調べた頭数がかなり違うこともあり、統計学的には有意差はないそうです。

有意差の有無は、一般に危険率で判断します。1%の場合、100回に1回は差があることになります。



聴力障害を持つ犬の症状

両耳の難聴の場合の症状
名前を呼ばれても気がつかない。
真後ろから(視野に入らないように)近づき、体を触ると、大変驚く。
触られた時に攻撃的になる。
(近づく音が聞こえないので、不意に触られることに対する驚きによる)
多頭数いる場合は、
行動が他の犬たちに比べてワンテンポ遅れる。
1頭だけの時、、見えないところから名前を呼んだり、
振動が伝わらないように音をさせてそれに気づかない。
熟睡している時に大きな物音させても寝たままである。


片耳の難聴の場合は、症状として現れることは困難である。

人の場合、先天的な両耳の聴覚障害がある場合は発声が困難になります
(人の場合は学習によって発声・発語を習得する)。
しかし、犬の鳴き声と言うものは、遺伝的に形成させているので、
聴覚障害があるから鳴かない・吠えないと言うことはありません。



難聴を疑ったなら

伝音性難聴(下記参照)の場合なら、一般の獣医で治療可能です。
原因不明の難聴や遺伝性難聴が疑われる場合は、電気生理学的検査が可能な病院での検査をお薦めします。
電気生理学的検査が可能な病院はまだ日本では大変少ないです。
ECSRNではこの検査が出来る全国の病院をリストアップしております。
まずは病院へ行き、原因が何か診断してもらいましょう。



   障害部位  主な原因 予後
 伝音性難聴 外耳、中耳および迷路骨胞  慢性中耳炎や外耳炎による鼓膜や耳小骨の損傷
耳垢による外耳道の閉鎖
 良
感音性難聴
 内耳性難聴
 神経性難聴
 中枢性難聴
   の総称
内耳(蝸牛)、蝸牛神経から
聴覚野に至る聴覚求心性経路
外傷
重度の内耳炎や中耳炎、犬ジステンバー、

頭部外傷により、鼓膜破裂などの伝音障害や側頭骨(鼓室)の骨折が無いにもかかわらず中枢性難聴になる場合もある。
糖尿病、高血圧、強大音負荷
聴器毒性を示すアミノ配糖体系抗生物質の投与※1
抗腫瘍剤の投与※2
ループ利尿剤の投与※3
サリチル酸の投与、水銀の投与
 不良
 遺伝性難聴 感音性難聴(内耳性難聴)  (毛)色の遺伝子に関連
ダルメシアン、イングリッシュ・セッター、
オーストラリアン・シェパードに多いとされるが、
E・コッカーの発症率も上位に入る
発生学的に色素遺伝子(メラニン色素沈着異常による白色やマール)が関与。
マールとは黒斑点を伴った青灰色。耳以外にも眼(虹彩な)に色素沈着異常が見られることがあり、ヒトでの遺伝性難聴を伴うWaardenburg症候群(部分白髪などを主症状とする)との関連性も指摘されている。
不良 
 老年性難聴   犬も人と同様に老年性難聴が有毛細胞や耳小骨連鎖の変性により起こると言われている。   
※1・・・ ジハイドロストレプトマイシン、ストレプトマイシン、ネオマイシン、カナマイシン、ゲンタマイシン等
※2・・・シスプラチン等
※3・・・フロセミ等

犬の耳の図解はこちら



 犬の聴力検査方法  
 ※行動学的検査法  
 観察場所  行動所見  評価
 自宅 大きな音がしても眠ったまま
同腹仔と遊ぶ時に他の仔犬が痛がって発する声を聞くことが出来ない為に攻撃的になりやすい
両側性先天性難聴(聴覚機能は仔犬で生後14日齢頃に出現する)
 診察室  定位反応・・・音などの刺激、なかでも新奇な刺激に対して目や耳が刺激源に向くように身体や頭部がすばやく回転する反応。驚いた時に生じる定位反応は動物の意思に関係なく生じる不随意反応
プライエル反射・・・音刺激に対する反射性の耳介運動で、聴覚上位中枢が関与しない反射。
臨床的には定位反応を観察する際に耳介の動きにも注目して、これら2つの反射を同時に評価するのが実用的。
 片側性あるいは両側性難聴

行動学的所見の判定には、動物の状態の評価や反応の評価など、検者の主観に依存する部分が多いことに注意。

※電気生理学的検査法
1, 脳波による聴力検査(EEG Audiometry)     
 ・無麻酔で脳波を記録できる協力的な犬では、脳波を記録しながら音刺激を与え、音に反応して脳波が変化すれば、
  音情報が大脳に達している(聴力あり)と判断。
2, インピーダンスオージオトメリー(Impedance Audiometry)
 ・チンパノメトリー、コンプライアンス(共に鼓膜の動きをみる検査の値)の測定と耳小骨筋反射閾値測定の総称。
 ・人では伝音性難聴の細胞診断や感音性難聴の部位診断に用いられる。
 ・獣医学領域でも、チンパノメトリーやアブミ骨筋反射の測定が行われているが、臨床応用には至っていないようである。
3, 聴性脳幹誘発電位(BAEPs : Brainstem auditory evoked potentials)
 ・聴覚求心性経路のうち、主に蝸牛と脳幹に発生した電位変化を記録したもの。一般的には、ヘッドフォンを用いて
  音を聞かせ、同時に頭部においた電極(針電極を皮下に刺入しても、脳波用の皿電極を皮膚に貼付してもよい)
  から誘導した電位を、コンピューターで処理して得られる。
 ・再現性が高く、聴覚の客観的指標、あるいは脳幹機能の指標となる。
参照…Small Animal Clinic No.108 「動物の感覚 イヌおよびネコの聴力」  鹿児島大学農学部獣医学科家畜生理学教室 川崎 安亮 著
    JOURNAL OF MODERN VETERINARY MEDICINE No.36「犬および猫の聴覚」鹿児島大学農学部獣医学科家畜生理学教室 川崎 安亮 著
     DEAFNESS IN DOGS & CATS


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